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金持ちほど貪欲である理由

アメリカに来て大金持ちの姿を実際に垣間みた時に、度肝を抜かれました。と言っても、ビル・ゲイツのような超大金持ちじゃありません。大金持ちの中ではありふれたレベルなのかなと思います。

私が実際に見た中で一番凄かったのは、シリコン・バレーでも有名な会社の社長宅でした。そこは表札が見えた門の中に入ると道があって、そこをしばらくクネクネと数分走って行くとやっと大きい家が見えるのです。ど田舎の土地ならいざ知らず、シリコンバレーの超高級住宅地の中での、この敷地の広さです。

さすが大金持ちの家は大きいな〜と思って、そこに車を停めようとしたら、女主人が向こうからやって来て、そこはうちのガレージよというのです。ガレージと言っても、二階はお客様が泊まれるようになっているそうですが、団体が泊まれるような大きさで優雅な佇まいなのです。

そしてなるほどちょっと離れた隣に、瀟洒な邸宅と広い庭園がありました。庭園にテニス・コート、プールなどがあります。そこでテニスをする友人のパートナーとして私はやって来たのでした。

その友人(北欧の人だったと思います。彼女は簡単すぎる(?!)テニスに飽きたのか、もうテニスは辞めてしまって最近は付き合いが無いので、その大邸宅に行ったのもただの一度きりでした)はすごく上手だったので、女主人は彼女とやりたくて招待したのです。友人はパートナーのレベルにはあまりこだわらない人で、たまたま下手な私に声をかけてきたというわけです。

私はその家に着くまでそんな大金持ちの家とも知らず、家に帰ってオットに話すまでその家の持ち主が超有名な人だとも知らずに、のこのこ出かけて行ったわけです。アメリカの金持ちというのは、本当に桁違いだな〜とつくづく思いました。

そういうのを見た後で、徐々に、大金持ちの多くが実に貪欲である現実を知るようになりました。あんなに富、財産を得た人々がどうしてそんなに貪欲になるのか、場合によっては犯罪行為までして、もっとお金を手に入れようとするのか、何故四六時中お金のことを考え、キリキリしているのか、お金持ちになったことはただの一度も無い私は見当もつきませんでした。長い間、謎でした。

最近やっと分かってきたのです。お金持ちの生活を維持するには、とてつもなくお金がかかるのだということ、見栄を張った生活を続けるにも、そういう見栄の支配したお付き合いの人間関係から見捨てられない為にも、もの凄くお金がかかるのだと。

ひとことで言えば、大邸宅を手に入れたり、超豪華車を手に入れることは、何かの幸運であり得ても、その生活を維持するには、相当のお金を手に入れ続けなければならないということです。そして一度馴染んでしまった派手で甘い生活は手放せなくなり、どんな事をしても守ろうと必死になってしまうということです。蟻地獄に落ちたようなものでしょうか。

最近破産した金融機関のトップが数年間で640億の収入があったこと、破産間近の状態で50億のボーナスを手に入れていたこと、政府の公的資金援助がそうしたボーナスに回らないような規制がわざわざ必要なことなどが報じられてましたが、貧乏人の常識では考えられない貪欲さの理由はそういう所にあるのだろうと思います。

何故、こんな話をいきなりしているかというと日本で二兆円の給付金が問題になっているからです。そもそも一軒当たりに数万円のお金をばらまいても、それが何の役に立つのでしょう。焼け石に水でしょう。2兆円のお金があれば、もっと根本的な景気対策、職業訓練、低価格の賃貸し住宅の建設など、いくらでも他に出来るのではないでしょうか。

お金をドブに捨てるようなものではないでしょうか。しかも高額所得者には辞退してもらいたいとか、野田大臣などは全員支給で良いじゃないかと言っている。無策に呆れてものが言えません。せめて日本の高額所得者の多くはまだ恥を知っている人々であることを祈るのみです。

by bs2005 | 2008-11-09 07:14 | 異論・曲論  

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