人気ブログランキング |

瀬戸際の対話外交

いつもよく拙い私の記事をご紹介下さっているヒロさんが、私のごく最近のどやし記事「どこまで主体性が無いのか」をまたまた取り上げて下さったので、嬉しさの余り調子に乗ってしまった。(汗)

重複する部分もあるし、コメントやレスでは既に触れたことなのだが、ヒロさんの記事「2008/11/06付 麻生内閣メルマガ」へのTB記事として改めてまとめて書いておこうと思う。ヒロさん、いつもいつも有り難うございます。すぐ調子に乗ってすみません。(汗)


次期大統領として正式に選出されたオバマは、対話外交を掲げている。選挙中は敵と対話なんて何を考えているんだというような批判があったり、外交を分かっていない経験不足の証のように言われたけれど、選挙の結果を見れば、国民は彼のその路線を望んだということだ。そして世界が彼の誕生を喜んでいるのもその路線の歓迎である部分が大きい。

しかし、私自身不安に思ってきたことだけど、オバマのイラク戦争批判の立場は、アフガニスタンの攻撃を中途半端にしたままイラクに介入したことにある。彼自身は平和を希求する立場ではあるけれど、純粋に反戦、反武力の立場ではない。だから、彼のプランの中にはアフガニスタンへの軍の大幅な増強が当然のようにある。若者にも積極的な軍志願を呼びかけている。ただ唯一光が感じられるのは軍事力だけに頼るべきではない。他の方法も考えるべきだと言っていることだ。

アメリカは基本的に軍事力と援助の二本立てでやってきた国である。援助には物的援助だけでなく、公的、私的な組織的な援助もある。

基本的に軍事解決ということに否定的考えは持っていない。軍事力(核攻撃も含め)を使ったからこそ、あの非道なナチや日本の帝国主義を破ることが出来て、民主主義を守ることが出来たのだと信じている。そういう教育を受けてきている。

第二に援助の問題である。既にいろいろの所でも指摘されているけれど、西洋的価値観からみた押しつけの援助、アメリカの都合を優先させた援助で、効果どころか逆効果になっていたり、その国の国民の自立性や誇りを奪ったり、文化を台無しにしたりしてしまっている面は見逃せない。

二本立てと言っても、軍事力に偏ったものであり、平和を築くための真の対話外交というのは、非常に苦手な国なのではないかと思う。そもそも、その経験、知的蓄積に乏しい。いざとなれば武力を行使すれば良いと思って長年やって来た国である。

オバマは今までの政治家とは大分違う考え方、感性を持っているけれど、いかんせん、基本的にはこういう文化の中で育った人間だ。他の方法と言っても、どこまで発想を豊かに柔軟に見られるか疑問である。

そういう意味では、彼の対話外交路線は、アフガニスタンへの軍事力増強を機会に、挫折しかねない。正に瀬戸際、崖っぷちにあるものだ。下手をすると、今の二つの戦争を激化してしまい、世界大戦にまで進めてしまうかもしれない。

日本は平和憲法という枠の中で、対話外交を選ぶより他なかった国である。好戦的な右派はそれ故平和憲法を足かせのように言ってきたわけだが、60年以上も対話外交のみで各国との関係を築いて来た国である。大分アメリカかぶれしてしまったとはいえ、西洋的価値観の押しつけをするだけの力は持ち得てこなかった国である。

三流と言われる日本の政治のレベルだから、素晴らしいノウハウを持っていると胸を張れる程のものは少ないかもしれない。けれども、60年の経験がある。その中には失敗の経験もあるが、失敗から学ぶことの方が大きい。公的なものだけではなく、ペシャワール会のように民間でもそういう現地を主体にした援助に沢山関わって来ている。そういう経験総体からオバマにアドバイス出来ることは沢山ある筈だ。

世界もオバマの対話外交路線に期待している。地球の共生を考えるならば、それは正しい方向だと思う。日本が好むと好まざるにかかわらず60年以上歩んで来た道は今、世界が進むべき道である。世界の大衆が望む道である。

日本は彼の路線を助けて行く為に、具体的な提言をあらゆるレベルですることによって協力をして行くべきだと思う。オバマの対話外交路線は瀬戸際に危うく立っているものなのに、呑気にアメリカの出方を待っていたり、馬鹿の一つ覚えのような給油補給を言って足れりと思っているのは情けなさ過ぎる。

一刻も早く、日本の政治家はアメリカが日本に何をするかではなく、その独自性を生かして日本がアメリカに何をさせられるのかを具体的に検討して行ってもらいたい。オバマ大統領の誕生は喜ぶべきことだけど浮かれている場合ではない。時間はそんなに無い。崖っぷちから転げ落ちてからでは間に合わないのだから。

by bs2005 | 2008-11-08 07:19 | ドラマ・ド・オバマ  

<< 「泣いているだけの人生はもう終... ノース・カロライナに愛をこめて >>