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始めなければ始まらない

日本とアメリカの国民性は、違っている所よりもそっくりな所の方が意外に多いかもしれない。よくそんな感想を持つのだが、ここは対照的だなと感じるのは、「始める」ことへの態度ではないだろうか。

何かを始めるという時、日本の企業に関わる人からよく聞く愚痴は、ちっとも始まらない、ということだ。誰かが提案しても、ああだこうだと足を引っ張る力ばかりが多くて、一向に始まらない。何も始まらない。とにかく、何かが始まることを阻止する力というのは凄まじいのだそうだ。

企業だけでなく、何か志を持って始めようとしても、動機が不純なのでは?とか下心は?なんて突込みが始まり、その内、声を揃えたバッシングになったりする。

それに比べると、アメリカ人は、始めようと誰かが言うと、あっという間に始まっている。その代わり、あっという間に終わっていることも結構多いけれど、、(笑)。そんなに簡単に始めてよいのか、もっときちんと考えて準備してからの方がと思うことも多いけれど、とにかく始めてしまう。そんな傾向があるように思う。始まってからでも柔軟に間違いを訂正でき、進化させて行ける自信があるからだろうか。問題が出てくることは前提にしながら、解決しながら先に進む。

人間は神様じゃないんだから、心の奥深くまで純粋な人なんて先ず居ないだろう。動機が不純でも、下心から始めても、問題が山積する不完全な状態でも、とにかく始めてそこから答を出して行こうという姿勢は私は嫌いじゃない。完全な状態を待っていては何も始まらない。そもそも何かを始める状態というのは未完の状態なのだから。

あっという間に終わっても、挫折しても、下心の泥沼にはまり込んでしまっても、始めないよりは始めた方が良い。そこから得られるものがある筈だし、そこから又始まるものがある筈だ。そう思うのは私が大分アメリカ呆けしたからだろうか。

by bs2005 | 2008-07-20 04:52 | 日米雑記  

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