お互い、辛かったネ
2006年 12月 13日
あそこで書いた喧嘩別れしたイギリス人、その後も度々コートで見かけた。彼女とは二度とテニスしたくないという人も増えつつあり、その分コートに来る機会は減っているようで、せいぜい多くて、月に1,2回、それも遠くで見かけることが殆ど。
近くですれ違う時は、ドクター・ローラの教えを守って、顔をそむけたりする失礼なことはしないようにしてきたけど、相手も他の友人と一緒、こちらもという感じで挨拶しても、相手に直接しているのかないのか分らない感じだった。彼女も固い表情、私も固い表情。お互い、最低の礼儀をかろうじて守るという感じ。
昨日、ひょんなことから、一対一に向き合うような感じになった。それで、出来るだけさりげなく笑顔を作りながら、でもはっきりと彼女に「こんにちは」と挨拶した。彼女も今まで何も無かったようなさりげなさで、それに答えた。そして彼女の顔は、あれ以来初めて見た柔らかい笑顔になった。
私もホッとしたけど、彼女もすごくホッとして、楽になっているのがはっきりと見て取れた。「お互い、辛かったよね」と心の中でそっとつぶやいた。彼女が一番その辛さを分かり合える親しい人のような気さえした。
その日、すごく忙しかったので、怒りんぼうであるだけでなく、あわてんぼうでもある私は、免許証から何から入れた財布をジンジャーのお散歩バッグに突っ込み、それをコートに忘れてきてしまった。
家に帰ったら、彼女がそれを伝えるメッセージが残っていた。後で分かったことだが、そのバッグを見つけてくれた友人の中には、他にも私と親しい人が居る。敢えて彼女が連絡して来てくれたことが嬉しかった。
私もお礼の電話をかけた。何だかお互いにぎこちなかったけど、それでも又、ホッとした。身も心もほぐれて行く気がして、やっぱり仲の悪いのは、こんなに辛いことなんだなと改めて思った。身体が硬くなる。心も硬くなる。おとぎ話のように聞こえるかもしれないけど、世界中の皆と仲良くやって行きたいなぁと改めて思った。仲が悪いのは辛すぎる。人も、国も、、。
by bs2005 | 2006-12-13 02:55 | 絆