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想像力

昨日、毎年クリスマスのプレゼントの交換を続けている、年上のアメリカ人の友人と会った。私のプレゼントは毎年決まっている。写真入りの翌年のカレンダーブック。数年前までは、それを彼女とマリアンの二人に贈っていた。二人は親友同士だが、マリアンは6年前に白血病で亡くなってしまった。マリアンを通じて、この友人とも親しかったので、ずっとこういう付き合いが続いている。




ユーモアのセンスがたっぷりの人で、、昨日まで会っていたように、おしゃべりが始まり、二人で笑い転げる。そして、共通の友人やら、それぞれの家族、マリアンの家族の近況なども話す。一年に一度、多くても二、三度しか会わないのだけど、いつも会うと、しみじみと幸せな気分に浸ることが出来る。

今回聞いた話の中で、特に印象に残った話。
亡くなったマリアンの子供は皆、すこぶる優秀で、その長男は大学教授をしているのだが、その大学の終身在籍権(tenure)を得て、半年の休暇(sabbatical leave)が認められた。それでアフリカの小さい国の大学で教鞭を取る招待を受け、そちらに行っていて、クリスマス休暇でもうすぐ帰ってくるのだという。

その彼から聞いた話らしいが、この国、マラウィは大かんばつなどもあり、とても貧しい国なのだそうだ。私の娘もガーナでボランティアをしたので、アフリカの貧しさや貧富の差の激しさは知っていたつもりだったが、他のアフリカの国では車を持つのが金持ちの証で、ごく少数しか持てないが、この国ではそれにあたるのが、自動車ではなく自転車なのだという。

現代の日本の子供にとっては半ば当たり前のような所持品である自転車が、望むべくもない豊かさの象徴であるような貧しさが、現実に今現在、存在する。そういう事への想像力を持つことを忘れてはならないと改めて思った。結局、そういう想像力のない優しさなんて、本物の優しさには程遠いものなのだろうから。

by bs2005 | 2005-12-23 05:32 | 徒然の瞑想  

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