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make difference

何らかの形で、その人の存在・行為が、肯定的な変化を生み出すこと。状況、社会等に働きかけ、それを少しでも良い方向に向けること。必ずしも社会全般への働きかけではない。もっと身近な場合でも言う。

10月24日、Rosa Parks(是非クリックして見て下さい。何とも素敵な良い顔が見られます。)という黒人女性が亡くなった。92歳だった。普通の無名の女性だったこの人が、歴史を大きく変えた。

バスの中で、どのように疲れていようと、黒人は白人に席をゆずらなければならない、それが黒人にとってさえ、当り前になっていた頃、席を譲ることを拒否した女性。その小さな、でも勇気ある行為が、黒人のバス・ボイコット運動への火付け役になった。ちょうど半世紀前のことだ。

この運動は、今では必然のようにさえ思えるけれど、その頃は、黒人の人達は無力感に包まれ、差別も仕方ないと、自分たちの地位に甘んじる風潮に支配されていた。反対運動を呼びかけても、殆どの黒人は、立ち上がることもない状態だった。そんな中で、この女性が、たった一人で、無言でそういう差別に、凛としてノーの姿勢を取った時、その風潮が大きく変った。

彼女は誰にも呼びかけず、アジ演説もなく、一人の決断で、一人の責任で、この行動を取った。そして歴史は変った。彼女の生き方、在り方は私の理想だ。
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去年の春、Rosa Parks Museum を訪れた時の写真。このmuseumは、アラバマ州のMontgomeryにあり、その時、彼女が逮捕された場所の前に建てられている。彼女を記念するものを建設したいという申出を、彼女は断わり続けてきた。どうしてもと言われ、ようやく、若い人達の為の図書館ならと承諾し、このmuseumはその図書館の一階の部分を使って作られている。

バスに座っている彼女の銅像があって、隣の席に座って、皆、記念写真を撮る。この写真で座っている女性は、この館の館長でガイドをしている。彼女の誇らしげな笑顔が印象的だ。

去年、訪れた時は、まだ健在と言われていた。あの大きなうねりの歴史がそう昔でないこと、たった一人の小柄で華奢な女性から始まったことなど、感慨深いものがあった。黒人の人達の苦しい闘いがあったからこそ、minorityである在米日本人の今日もあるのだということを、忘れてはならないと思う。たとえ、今だに、差別が完全になくならないものであっても。冥福を祈り、合掌。

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by bs2005 | 2005-11-07 06:30 | こんな英語表現  

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