「予想外」と言う方に驚いてしまう

都議選の直後に麻生さんが解散予告をしたというので、議員やメディアが「予想外」と驚いていた。こちらはそう驚く方に驚いてしまった。あれ以外に麻生さんが取れる道は無かったではないか。彼が自分の手でと再三言っている以上、当然過ぎる帰結だったと思う。

自分の手でと思っているなら、長引かせれば長引かせるほどおろされてしまう可能性は高くなる。民主党は不信任案を出すと言っている。彼にとって良いことは何も無い。自分の手でと本気で思っていないとすれば、過去の二人の総理のように、もうとっくに投げ出していただろう。

本気で思っていたら、もうこれしか手は無い。都議選の前から、そうするだろうと私は思っていた。何だかんだ言っても、彼は「バカヤロー解散」をした吉田茂元総理の孫、最後に開き直って勝負に出るのはDNAの中にある筈だ。

政治ゲームに骨の髄までやられた議員連中が、驚くのはまだ驚くまでもないだろうけど、その政治家と同じ次元で驚いているメディアに驚いてしまう。冷静に考えれば、当然の帰結としてあり得たことではないか。客観的に冷静に見る視点が全く無い。政治家と同じ次元で右往左往している。

報道を見ていても解散の現象的な話ばかり。政策論ではなく派閥の動きに終始している。日本の政治の貧困はメディアにも大いに責任があると思う。政策論議が一向に進展しないのは、メディアのあり方にまずその原因があると言ってもよい。

政策で政党を語り、政策を本質的レベルで比較、一歩踏み込んで論じる報道が中心に無い。もっぱら人の動きを追っていて、政策に関しては誰でも出来るような批判でお茶を濁している。解説者が出てくるときはまだしも、キャスターの意見などは素人でも言えるようなことばかり。政権交代が行われたら、細かいところまで日本の政治はどう変わり得るのか、あるいは変わらないのか、綿密な検討はどこからも聞こえてこない。

アメリカの報道にも沢山問題はあるけれど、本質から離れた政治家の裏での動きなどこんなに長々と得意げに論じたりしない。深く本質的な政策論議がもっぱら中心だ。素人でも言えるようなことは言っていない。

日本のメディアはそういう姿勢だから、ちょっと落ち着いて考えれば簡単に見えるようなことが見えずに予想外と驚き、大騒ぎし、そのことに羞恥も感じていない。改めて日本の報道に幻滅した。

大体、麻生おろしと大騒ぎしている議員にも呆れる。麻生さんをかばうつもりはないけれど、今の自民党への批判は麻生さんだけに対するものではない。そもそも、二人も総理が途中で投げ出すところまで自民党は追い詰められ末期症状を起こしている。それを首をすげかえただけで何とか切り抜けられると本気で思っているのだろうか。

その根本的愚かさを指摘することもなく、ただ当面の麻生おろしの動きばかり追いかけているメディア。スターのスキャンダルを追いかけるお昼のワイドショーと少しも変わらない。一緒に右往左往するしか能は無いのだろうか。
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by bs2005 | 2009-07-16 01:18 | 異論・曲論  

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