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まことしやかな国 ニッポン

水際で感染を食い止めると言う。水際死守と叫ぶ人も居る。だけど潜伏期の患者はどんどんスルーする。感染は既にアメリカ、カナダ、メキシコだけじゃないのに、その三カ国からの便だけ検疫をして、他の便はスルー。ザルのごとき検疫体制でありながら水際阻止と言い続ける。あたかも本当にそれが出来るかのように、本当にそれを実行しているかのように。

国内で感染患者がごく当然にも見つかったら、今度は感染拡大を阻止するという。マスクと手洗い、消毒であたかも感染拡大が防げるかのように、あたかもまだ間に合うかのように。

新型インフルエンザが怖いのは、そもそも生半可な手段では感染を阻止できないからではないのか。感染を阻止できないものを拡大だって阻止できるわけがない。たかが知れている。今に日本のあちこちに患者が雨後の竹の子のように現れる。

そうなっても季節性のものとそう変わらないのだから騒ぐにあたらない。季節性のものだって毎年死者は出ている。パニックに陥ることはない。少なくとも今の段階では、季節のインフルエンザと同じように行動していれば良い。

弱毒性のものに対して、町中がマスクをしたり、患者の出ていない学校を閉鎖したり、修学旅行をやめたり、用心深いのは結構だけど、そんなことをしても感染するものは感染する。拡大するものは拡大する。もう既に止められる段階をとっくに過ぎている。感染は拡大すると覚悟を決めた方が、ずっと現実的で生産的な対応が出来ると思う。

問題は感染が拡大したときに、どこまでそれに対処できるかだ。いかに医療拒否を起こさない、需要にスムーズにきめ細かく対処できる医療体制を作るかということだ。時間稼ぎの意味しかなかった水際作戦が、時間稼ぎとしてさえ役立ってこなかったことは、今の対処のお粗末な遅れ方を見ても明らかだ。

水際阻止などというポーズ以上のものでないものをまことしやかに本気でやって、そちらにエネルギーを無駄に費やし過ぎたから、こうなる。水際作戦などという特殊な作戦に長々とうつつを抜かしている間に、もっと他の国での対処の仕方を勉強し、参考にしてやるべきことが沢山あったのではないか。

弱毒性と分かったあとでも依然として過剰反応しているくせに、肝心のことが立ち遅れているこんな国が他にあるのだろうか?日本に行ったアメリカ人は、成田での水中眼鏡をかけたかのような検疫官たちのものものしさに、SFホラー映画の世界に居るみたいな気持ちにさせられたと笑っているという。

外国から見たら何もかも異常な感じは否めない。そしてここまで大騒ぎして、今や感染数世界第四位だとか、、。情けなくなってくる。

今度こそ、同じ間違いは犯さず、感染拡大は前提にして動くべきだ。ザルのごとき水際作戦で国内感染を阻止できるような幻想を与え続け、今度は感染拡大阻止を声高に叫んで、そんなことが出来るかのような幻想を政府もマスコミも専門家も広げている。どこまでまことしやかな国なのだろうか、ニッポンは?

関連過去記事:「水際作戦」の日本性

by bs2005 | 2009-05-19 23:47 | 異論・曲論  

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