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『NHK週間ブック・レビュー』のお勧め本から

『NHK週間ブックレビュー』のサイト

<2008年7月26日放送分より>

文藝怪談実話 (ちくま文庫 ふ 36-8 文豪怪談傑作選 特別篇)

遠藤周作さんのそのものずばりの「私は見た」、あの冷静な小林秀雄氏の実体験などが載っているそう。怪談もホラーも好きではないのだけれど、実話というのに弱い私。文豪の実話となると怖いもの見たさにそそられる。

『赤めだか』(立川 談春著、扶桑社)

矛盾に耐えるのが修行、という教えの下に修行を受ける青年の成長の記録であると同時に破天荒な落語家達の話、笑えて泣けて爽やかな読後感だという。私の好きな要素が三つもあるので読みたい。

百日紅 (上、下) (杉浦日向子全集 (第3巻)) (単行本)杉浦 日向子著、筑摩書房)

江戸時代を舞台に葛飾北斎を取り上げた漫画だが、人間が完璧に描かれているという。北斎も好きな画家。紹介した人が自分もアニメをやるのだが、杉浦さんの表現力に嫉妬を禁じえなかったという。同業がそう感じるものを読んでみたい。

<2008年8月9日放送分より>

『ジェローム・ロビンスが死んだ ミュージカルと赤狩り』(津野海太郎著、平凡社)

名作『ウエストサイド物語』を生んだ振り付け師、ジェローム・ロビンスの話。華やかな経歴の陰で余り知られていない話だが、<赤狩り>に遭い、その時、はたから見るといとも簡単に仲間を売ったという背景に迫っている。

彼はユダヤ系移民二世、元共産党員、そして同性愛者。アメリカ社会では三重の差別を受ける圧倒的な少数派であり、アメリカ社会で居場所を確保し、生きて行くためにはそういう選択しか彼にはなかった背景に触れた本。

私が興味を持ったのは、この本を紹介した小室等さんが、この本を読んでいく内に、ソ連(ロシア)とアメリカは一見両極のように見えるけれど、本当は双子なのではないかと述べられた一言にとても共感を持ったからでした。

アメリカで生活するようになって本当の言論の自由は無いと感じることがよくあります。差別に関しても、あってはならないという建前のもとに、何故現にあるのか、差別を生むものは何かと云うきちんと向き合う姿勢が封じ込められ、逆に差別が温存され潜行しているような恐れを持つことがあるのです。

小室 等さんの他の「お勧めの本」にも惹かれるものを感じました。

人生読本 落語版 矢野誠一 岩波新書
白鍵と黒鍵の間に ピアニスト・エレジー銀座編 南 博 小学館

by bs2005 | 2008-08-21 02:17 | 読みたい・観たい・★★たい  

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