ニッポンのお金持ちにモノ申す!

いかにも貧乏人ぽい、かつ、ひがみっぽい我ながら情けないタイトルだけど、今日は日本の現状を見るに耐えず、あえてこんなアプローチを取りたい。

色々な現場で日本は膠着化し、沈没しつつある。アジアの中でもその存在基盤が空洞化しつつある。八方塞りの道にどんどん深入りしているように見えるが、政治にそれを打開する力も無さそうだ。政治に全く期待出来ない以上、どこに突破口を見出して行くかという視点から、ニッポンのお金持ちに訴えたい。

アメリカはすさまじい格差社会だ。しかし、その収入の極端な偏りを多少なりとも救っているのは、お金持ちの社会的意識の高さだと思う。シリコンバレーに住んでいるので、超お金持ちの社会は友人を通して間接的にだけど知っている。基本的に、金銭的には勿論、自分の時間を何らかの社会的事業に向けていないお金持ちは居ない。先頭に立ってやっている。超多忙な人でも、その時間は割いている。お金だけ出して済ましている人は居ない。私の知る限り、、。

そういう人達が皆心からやっているかというと、そうでもない面もあると思う。回りのお金持ちがやっていることを自分がやっていなければ白い眼で見られて、甚だカッコ悪いからやっているという人も、多分少なからず居るのではと思う。そうせずにいられない社会的風土がある。

勿論、そうやってお金持ち同士のネットワークを広げ、関係を深めて自分の仕事に生かそうという野心もあるだろうけれど、それはそれで良い。動かないより遥かにましなのだからとそういう動機を受け入れる風土がある。下心は何であれ、社会が良い方向に向かう活動なら大歓迎、下心は問わないという風土がある。

税金上も、そういう活動をするお金持ちをとても優遇している。そもそもの動機は税金逃れとか、税金に取られるより、自分のお金が直接、社会で生きる形で使いたいというものが一番だろう。

翻って日本はどうだろうか?たまに巨額の寄付を亡くなった後に残したり、生きている間にも寄付されたりする話は聞くけれど、金銭的にだけではなく、お金持ちが先頭を切って何か社会的活動をしているという話を聞くことがすごく少ない。精々、芸能人、スポーツ選手がチャリティーをやる位か?

勿論、目立たない形でそれなりの事をしておられる良心的なお金持ちもおられるのだろうけど、経済人のトップ、思想・哲学のトップ、芸術家のトップ、そうした人達が積極的に先頭に立って、民間に訴え牽引するというような形での社会的活動をしている話を滅多に聞かない。やっているとしたらPR不足が甚だしい。マスコミも、そういう活動があるのなら、もっと広く知らせて、一般の人がそれをバックアップ出来るようにするべきだ。

日本の場合は目立つと「売名行為」とか「偽善者」とかバッシングする傾向があり、お金持ちの活動を活発にさせない風土があるけれど、そういう傾向は猛省するべきだ。もっとお金持ちが自由に動けて、それをバックアップするような意識を持たなければいけない。人の下心に下司な勘ぐりを入れている暇があったら、とにかくバックアップするべきだ。

日本人は社会意識がとても低いと思う。下々に考えさせない教育の伝統が効を奏したせいか、圧倒的多数は、何があっても他人事という感覚。他人事ではないことなのに、他人事と思っている。そしてお金持ちも例外ではない。外国のお金持ちに比べると、すごく社会意識が低い。自分と自分の仕事のことしか考えていないようにさえ見える。

今の日本の現状をどう打開できるか?私は先ず、一般の人がもっと社会意識を持ち、発言し、ボランティアなどにも積極的に関わり、そういう雰囲気の中でお金持ちが知らん顔を決め込めない社会風土を作っていくことだと思う。そしてお金持ちに社会を良くする活動の先頭に立ってもらう。それを一般人はバックアップして行く風土を作っていく。

社会を良くしようと思っていても、いわゆるワーキングプアの人は自分の生活だけで精一杯だろう。それでも声だけでも挙げて欲しい。そういう人達を代表する雨宮凛さんのような活動にはとても意味がある。そうして一般の人、お金持ちはそういう声に耳を傾け、自分の出来る範囲のことを考えて行って欲しい。一般の人に比べても、お金持ちはそれだけの力を持ちながら、頑張り方が全然足りていないと思う。もっともっとリーダーシップを発揮するべきだ。

今の自分の生活に満足して、そんなことは自分に無縁のことと思って我が世の春を謳歌する気分なのかもしれないけれど、日本全体が沈没してしまったら、結局は自分達の所にもそのツケは回ってくる。やってはいるのかもしれないけれど、もっともっと見える形で大衆をリードする形でやる義務が、格差社会に於けるお金持ちにはあるのだと思う。

日本もアメリカのような格差社会に日々なって行っているようだ。格差社会において、お金持ちの責任は大きい。お金持ちが社会事業のリーダーシップを握っていかなければ社会は立ち行かなくなる。多忙は言い訳にならないと思う。いつ寝ているのかと思うようなアメリカのトップだって、そういう時間はきちんと確保している。私はニッポンのお金持ちの猛省と意識の改革を促したい。

そして政治に期待は出来ないけれど、せめてボランティア活動への優遇税制でお金持ちのそういう活動を促進してもらいたい。アメリカの「小さな政府」という概念は、お金持ちの自主的な社会への関与に支えられたものだ。それが無いところでいたずらに「小さな政府」を目指すと、今の日本のようなことになってしまう。「小さな政府」の社会、格差社会には、それなりの仁義があるべきだ。
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by bs2005 | 2008-07-18 22:32 | 異論・曲論  

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