「伝えること」の恍惚に潜むもの
2008年 06月 21日
こんな記事を読み、暗然としました。あの秋葉原の事件の最中に、その事件現場を携帯で興奮しながら撮ったり、自分のブログに載せようと言っていた人々に触れた記事です。もっと暗然としたのは、自分がその興奮と混乱の場に居たら、自分もその一人にならなかったと100%の自信を持って言い切れない怖さでした。
マスコミなどのスクープ写真などでも、たまに、この写真を撮る余裕があれば何故助けに行かなかったのか、などという批判がありますが、伝えるということの中には、こういう倫理的問題がいつも付きまとうものかもしれません。
広く大衆に伝えるツールを一般大衆が持たなかった時代は、それはマスコミに携わる人間だけに問われていた倫理かもしれませんが、ブログ、携帯という形で、個人でも「広く伝える恍惚」を知ってしまった私たち、それに足を取られて人の痛みを感じなくなることの無いように、厳しく自問して行かなければと思わされた記事でした。
by bs2005 | 2008-06-21 08:11 | 異論・曲論