拉致問題の位置

そもそも、拉致問題の解決はお願いするような類のものではない。アメリカの国益の為にこそ、外してはならないものだというアプローチが必要である。そういうアプローチが一向に見られないのは残念至極である。日本がこれを被害者感覚で提起し、人道問題として提起している限り、アメリカは他人事としか思わないし、実質的にノーの立場を動かさないだろう。



アメリカは何かをお願いしても、そういうことに本気で耳を傾けたりしない。どの国もそうだろう。国益になると思えば頼まなくても動くが、ならないと思えば梃子でも動かない。日本政府もいいかげんに、そういう外交の基本を肝に銘じるべきだと思う。

首相になったばかりの福田総理も真っ先にアメリカに馳せ参じ、お願いした。しかし、アメリカはテロ指定解除の要件に先日3つ追加したけれど、拉致問題は相変わらずその中に無かった。

日本にとって必要なのは、拉致問題と核問題は表裏一体の同じものであるということを明確に提起することだと思う。拉致問題を生んでいる北朝鮮の体質が、核問題も生んでいる。アメリカにとって、核問題の方が緊急で重要な問題であるから、焦りで見えなくなっているけれど、拉致問題を生んでいる体質そのものから方向転換をさせない限り、どんな了解を結ぼうが、時期がくれば北朝鮮は平気でそれを破るだろう。今までもそうして来たように、、。

新たな三条件を持ち出しているのは、そこのところが不安だからだろうけど、どんなに了解を結ぼうが、北朝鮮が破る気になったらそれまでの話だ。拉致問題の解決は、核問題を本気で北朝鮮が受け止めるかどうかの指標として大きい意味を持っている。

拉致問題を放棄して核問題を解決しても、本質が変わらない限りは、アメリカの安心は永遠に得られない。そこをこそ、アピールするべきだと思う。この拉致問題があるからこそ、アメリカは北朝鮮の本気を確かめられるのである。こんな機会を無駄にするのは、アメリカにとって大間違いの選択であると堂々と論じるべきなのだと思う。

拉致問題の完全解決は、北朝鮮の本質を転換させることからしか達成できない。そこまで北朝鮮を追い込まない限り、核問題はたとえ当面、解決したように見えても、近い将来に再燃するのは火を見るより明らかだ。
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by bs2005 | 2007-12-06 06:26 | 異論・曲論  

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