ほんものの能天気?

次期大統領に有力視されているヒラリーが、アメリカにとって最も大事な国は中国であると言ったことに、日本では「アメリカは日本より中国を選んだのか?!」とざわめきが起きているらしい。オーストラリア、アメリカ、日本の軍事的関係を強化しようとしたときに、ライス国務長官に「何故、中国も仲間に入れない?」と言われ、当時の防衛相、中国嫌いの小池女史が驚愕したともいう。

こういう話を聞くにつけ、日本の政治家・官僚・マスコミは何て鈍くて能天気なのだろうと呆れてしまう。



何故今更驚くのだろう?25年以上前にアメリカに住み始めた時ですら、アメリカにとって中国の方がはるかに大事な国だった。卑近な例を挙げれば、中国の動向はいつも報道されたし、中国の高官が来ればニュースでも取り上げられていた。日本は首相が来たって誰も知らなかった。最近でこそ、少しましだけど。

あらゆる意味で、一度も日本が中国よりアメリカにとって重要な国であったことなどない。アメリカに住んでいれば、そんなことは肌身で分かることだ。庶民には見えることがおエライさん達には見えないのは、自分達がそれなりに歓迎されて社交辞令でもてなされるからだろうか。冷静に見る眼を失っている。表面的なことに惑わされている。

アメリカは自国に脅威を持たらしかねない国、一筋縄では行かない国、言いなりにならない国のことしか考えていない。言いなりになって、あとから付いてくる国のことなどまともに考えたことはない。

そしてアメリカに逆らってばかりいたような国がちょっと譲歩をすれば、ものすごく喜ぶけれど、いつも譲歩ばかりしている国がそれ以上いくら譲歩しても、当然としか思わない。イラク侵攻に逆らったフランスの大統領の渡米の歓迎ぶりを見たって、それは言える。

最近の北朝鮮、給油問題での日本のちょっとだけ独自の立場の表明で、今までよりはまともに相手をしなければいけないかなとちらりと思い始めた程度だ。

それなのに、最近のマスコミも民主党も、期限切れを迎えて、弱腰になっているように見られる。
国防長官が来て、給油はアメリカの為のものじゃないと言った、などという発言をごもっともという感じで報道している。給油する国がアメリカだけじゃないとしても、給油している油はアメリカから買っているのだという。一番得をしているのがアメリカであることは明らかだ。

たとえは悪いけれど、泥棒が「盗んだのは私じゃない」というレベルとそう変わらない弁を何故有難がるのだろうか。福田総理はともかく、報道も、何だかびびり始めているように見える。

同盟国であることがアメリカにとってそれ程大事なことであると思っていること自体が、あまりに能天気である。トルコもアメリカの同盟国である。でも、EU参加を望みながら、EU諸国に邪険に扱われているトルコに、アメリカがジェスチャー以上の手を差し伸べて協力してきたようには見えない。

どころか、アメリカが勝手に始めたイラク侵攻のおかげで、トルコはクルド過激グループ、PKKからの攻撃にさらされているのに、トルコとしては当然の自衛にブレーキをかけようとしている。PKKからの攻撃に対してトルコを殆ど守りきれていない、守ろうという努力すら今まで大してしてしてきていないのにだ。トルコが攻撃を始めるとアメリカが困るので、今頃になってトルコを相手にしようとしている。アメリカの都合よくトルコが動くように、、。

アメリカが同盟国にすることはこの程度のことだ。同盟国である事を錦の御旗のように思っている日本の政治家、官僚はあまりに現実を見ていなさ過ぎる。アメリカがどう思うか、どう受け止めるかなどということに一喜一憂するべきではない。自己主張をきちんと出来る国にだけアメリカは向き合ってきたのだから。

日本は今こそ、自分の足で立ち、自分の頭で考えるべき時に来ている。びびっている場合ではないと思う。
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by bs2005 | 2007-11-09 09:22 | 異論・曲論  

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