典型的アメリカ人の発想

アメリカ人と言ってもこれはあくまで典型である。例外もある。でも、それは少数なので、典型の方について述べたい。何と言っても、典型的タイプの方が多い分、そちらがアメリカ政治の方向を決定してしまうのだから。



一つは戦争の本当の悲惨さも、無意味さも骨身に沁みて分っていない。テロという罪を憎んだとしても、それに戦争で応じることは人を憎むことだと分っていない。テロに追いやられた人の悲しみを見ようとしていない。戦争に反対する場合も、動機は自分達の家族が戦地で死ぬからで、戦争で殺す相手国の市民のことは頭に入って来ない。

二つ目は、何度もいうけれど善魔性から来る、自分達の使う軍事力は正義の為だから許されると思っている。自分達のやり方、価値観を押し付けて、そのことにも自覚がない。相手の立場に立って、相手の文化・価値観の上に立って理解するということがうまく出来ない。自分達は善と思っているから、被害者意識はあっても加害の意識はない。

三つ目はそもそもアメリカは実力主義、格差肯定の社会だ。一方で家族ごとホームレスというのがあり、、片方で後楽園の数倍というような土地に豪邸を建てていたり、自分のお抱えヨット・インストラクターに一年一億払っているというようなとてつもない金持ちが居る。テロリストを生む大きい要素に貧困があるというのが肌身で分っていない。貧困に苦しむ層に対して冷淡なところがある。寄付等のチャリティはするのだけど、そういう人たちの自立を促す方向は思いつかない。だから軍事力以外の発想がまともに出来ない。

何度も言うけれど、そういうアメリカ人の硬直した考えに大きく風穴を開ける可能性があるのは、アフガンの中村医師のやり方だと思う。彼の方法がテロの解決に向かう軍事力よりも遥かに有効な方法だということをもっと日本は伝えて行くべきだと思う。そうでないと、イラクから減らした兵を大幅にアフガンに回して、中村さんが築き上げた灌漑用水設備も破壊してしまいかねない。

彼のやり方は一つには、食べることを可能にしている。中村さんによるとタリバンに参加するのは食べる為だという。中村さんのやり方は食べる為にテロリストに参加する人を激減させ、結果としてテロリスト集団を孤立化、弱体化させる方向に行く。

彼の灌漑が成功して、農業が出来る人達はケシ栽培には手を出さないという。これはテロリスト集団への資金源を断ち、その意味でも孤立化、弱体化を生む。今まで見てきた中では、最もテロを無くす方法だと思う。こういう選択肢があるのだとアメリカ人の大多数は夢にも思ってもいないだろう。

でも、「罪を憎んで人を憎まず」 という精神は理解できるかもしれない。テロという罪は憎んでも、人は憎まないという態度によって、そこに人を追い込む現実に目を向けさせることは可能かもしれない。それが見えるようになれば、テロ対策、テロと闘うという立場も中味は全然変わってくると思う。

日本政府は、硬直化したアメリカ人の発想に付き合わないで、中村さんのやり方をもっと支持すると同時に、国際社会に訴えて行くべきなのだと思う。安倍さんも発想が硬直していることではアメリカ人といい勝負だ。そのツケは日本の軍国主義化になりかねない現実は、本当に見ていて辛い。

余談だけれど、アメリカ人のこういう硬直した発想に気づかせ、変えていく可能性を持ったもうひとつのものは映画だと思っている。フィクション、ノンフィクションに関わらず、映画にはそういう力があると思う。アメリカ人の発想で作られたアメリカ映画にはそういう力はあまり無い。特に最近のものの質は落ちている。問題は外国映画の上映がごく限られていることだ。こういうのもアメリカ人の硬直性を助長していると思う。日本の映画産業(アニメも含めて)に関わっている人たちは頑張ってもらいたい。良質な映画には平和力がある。
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by bs2005 | 2007-09-12 01:03 | 異論・曲論  

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