軍事力で日本は守れるかー真に強い国を目指して

最近、「日本は自分達の手で守るべきだ。その為には憲法九条なんて馬鹿馬鹿しい。侵略されたときに戦いもせずに簡単に降伏するような情けないことをするつもりか。強い軍を作るべきなのだ。日本国民としての誇りを持て。日本はどうなっても良いのか!いつ侵略されるか分からない現実を見ろ!理想論ばっかり言ってるんじゃない!」等々という一見勇ましい意見をよく耳にする。



頭を冷やしてよく考えて欲しい。軍備を強化したら侵略を防いで勝てるという保証がどこにあるのか。日本は果たして軍事力で守れる国だろうか。資源も食糧自給も出来ない。地理的にも不利である。強力な軍備をしたら軍国主義復活としてアジアの国からはそっぽを向かれ孤立するだろう。中国を初め、他のアジアの国々を敵に回してまで、一体どの国が応援してくれるだろう。。アメリカだって日本の為に中国を敵に回したりするまい。自分の頭のハエを追うだけで精一杯の今、アメリカの世論がそんなことを許す筈もない。

どの位の軍備をしたら独力で守れるだろうか。核武装?核武装をして勝てる保証がどこにあるのだろう?米軍基地を持つ日本に侵略してくるような国なら既に核武装はしているだろう。そもそも日本が核武装にとりかかったら、日本を侵略する気の国(そう軍備主義者が恐れるような国)がおとなしく指をくわえて見ているだろうか。完了する前に叩いておこうと思うのは必然ではないのか。

核武装が無事に出来るとして、日本を確実に独力で守れるだけの軍備にする為にどれだけの費用と人員が必要だろうか。徴兵制の復活なしでそれだけの人員をまかなえるのだろうか。軍備を訴える人は、自分達が志願する覚悟があるのだろうか。自分達の子供や孫を徴兵制がなくても志願させるとでも言うのだろうか。勝てる保証のない無駄死にするだけでもそうすると言うのだろうか。

今でさえ、財政赤字の犠牲の中で格差にあえぐ人たちが居る。単独で勝てる軍備をしようと思えば天文学的数字の費用を必要とする。格差にあえぐ人々は今の数倍、いや数十倍になるかもしれない。そこまでしても勝てる保証など無いのはアメリカを見れば明らかだ。

広大な国土や多くの資源を持ち、世界第一の軍備、核武装をし、戦争慣れしているアメリカでさえベトナムで負け、イラクでも勝てないでいる。そして国内は疲弊してハリケーンに対する堤防の補修や、高速道路の橋の補修さえ満足に出来ないでいる。そして今だに、というか以前よりも多数の国がテロの被害に遭い、脅威にさらされている。

60年以上も戦争から遠ざかってきた日本がいきなり戦って勝てる保証がどこにあるのだろう。軍事力で守れるとか勝てると思う方が、本当の戦争を忘れた平和ぼけだ。戦って結局敗れれば、あの戦争と同じように膨大な無駄死にの人々を再び生み出してしまう。勝つ見込みもない戦争を再び始める気か。

国敗れても山河あり、国民が生きていることの方が大事だと骨の髄から学んだのがあの戦争の教訓ではなかったか。戦後62年かろうじて平和を楽しんでいられる国になったのは、遅すぎたとはいえ降伏したからではなかったのか。お国の為という精神主義が日本の国民を助けてくれたことがあっただろうか。

軍事費に膨大なお金をかけるのではなく、地球を救える様々の技術(温暖化阻止、新エネルギー、砂漠化を阻止する灌漑技術、医療、食料生産、等々)の開発にお金を回し、そのことで国内や外国の雇用も増やして経済的豊かさのみならず地球を救える知識の豊かな国になる。その豊かさで多くの国に援助や開発協力をする。そういう国際貢献を通じて強い発言力を持ち、無視できない存在になる。その姿を見せることによって真に強い国とは軍事的に強い国ではなく、こういう国なのだと世界に見せて行く。

アメリカべったりの対テロ対策ではなく、アフガンでの中村医師の灌漑工事、井戸掘り工事、医療援助、ああいうものに日本政府がお金を使うことの方が、長期的にははるかにテロを減らして行ける。テロの火種を増やしているだけのアメリカの対テロ行動の後方支援のようなことからは直ちに撤退するべきだ。軍事力で本質的に永遠に解決することなど、21世紀ではあり得ない。その事を深く深く理解することこそが今、とても大事なことだ。

軍事にお金や勢力を注ぎ込むのは日本を強くするのではなく、むしろ弱くしてしまう。平和を目指すことが豊かさを生み、強さを生む。憲法によって守られた日本がここまで来たことは、その可能性を世界に提示して来たのだ。日本は省エネその他多くの技術で、既に真に強い国への可能性を見せている。今ここで方向を誤ってはならない。

日本が世界にとって大事で必要な存在になること、日本がいなかったらわが国はやっていけないと思われる位、沢山の国にとって大事な存在になること、そのことによって、そもそも侵略されない、あるいは侵略されても、侵略した国の方がたちまち国際社会で孤立するような、そういう世界の中での存在になることを目指すべきである。言ってみれば軍事力ではなく平和力で侵略に備えるべきなのだ。

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by bs2005 | 2007-08-21 02:55 | TON同盟  

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