核攻撃の瀬戸際で
2007年 08月 14日
以前から、次に核攻撃を行うのは再びアメリカだろうと書いて来ました。しかし、それは外れて欲しい予測でした。最近の使える核の開発の動きも、その予測を強める方向で憂いておりましたが、第一集を見て、アメリカが今までのような抑圧効果としての核ではなく、先制攻撃としての核を了承する段階に来ていると知り、その不安は限りなく現実のものになりました。
今一番恐ろしいのは、地表攻撃のようなピンポイントのものではなく、高度爆発です。それは直接に被害を地上に及ぼさなくても、電磁波によってコンピューターシステムを全壊し、地上の全てのインフラに壊滅的打撃を与えます。のみならず、飛行機などの操縦装置も壊すので多数の飛行機が墜落し、地上の都市にも深刻な打撃を与えるだろう、インフラが壊滅したところでは食料危機も起きるだろうということです。
合衆国のシカゴあたりの上空でそれが爆発すれば、アメリカの半分以上がその壊滅的打撃を受け、数ヶ月以上暗黒の大陸になるということです。アメリカのように広い国でそうですから、日本の上空でやられたら、日本は全滅するでしょう。この高度爆発が一番恐ろしいのは、ピンポイントの技術を持っていなくても、大体そのあたりに発射する技術があれば良いということです。したがって、テロリストにも十分行える攻撃だということです。
番組はそこまで言ってませんでしたが、アメリカがその状況になったら、生存者の間では無政府状態になって食料を奪っての内戦状態になると思います。何かといえば略奪、暴動の起きる銃社会の国ですから、起きない方が不思議です。アメリカは国家としての機能を失うでしょう。アメリカがそうなったら、日本は全ての面で壊滅的大打撃を受けるでしょう。
この恐怖に対してアメリカはやられる前にやれという立場から先制攻撃も認める方向になってきているとのこと。使える核の開発というのはそれに沿ったものなのでしょう。これに対しては、先日の核廃絶意見広告のメンバーであるキッシンジャ元長官も、アメリカが先制攻撃をすると思えば、今度は向こうがその前にという発想になる。世界の破滅になってしまうと警告をしています。そして、今こそアメリカが核廃絶の先頭に立たなければならないと、、。
私はこれを見ていて、日本政府の今までのありかたに心底、義憤を感じました。こんな瀬戸際まで来てしまったのは、唯一の被爆国の日本政府がきちんと廃絶への動きを推進して来なかったからです。アメリカに対して追従するのみで来たからです。モンゴルのやってきたことをとっくに実現してこなければいけなかったし、非核に関してはもっともっと果敢にアメリカに迫るべきでした。テロに対しても平和憲法を拠り所に別の道を提示してくるべきでした。
しかし、日本政府のそういうあり方を許してきてしまったのは他の誰でもない私達、日本国民です。非核は広島、長崎に任せ、テロは対岸の火事と真剣に考えてこなかった、そして平和憲法をないがしろにされる動きに、大きく有効な声をあげてこなかった私達国民です。平和、平和と訴えながらも、少しも具体的現実的に有効な道を考えてこなかった私達です。
核の使用がここまで具体的に近づいていることに背筋の凍る思いがします。それなのに日本政府は相変わらず「核の傘」への幻想を持ち続け、あろうことか核武装容認への糸口をつけようとした麻生さんを幹事長に、なんて言ってます。テロに対してもリスクの大きいアメリカ追従を変えようとしていません。アメリカが先制攻撃をすれば、「核の傘」に居る国、しかもアメリカのテロ対策を積極的に応援して来た国はそのまま攻撃対象になります。
その中でも日本は一番狙い易い国でしょう。テロ対策を初めとして、アメリカべったりの政策を取り続け、極東のアメリカの前進基地であり、地理的にも他の国から切り離されている、攻撃を受けても戦争の反省の薄いことからアジアの国から大した同情も支援も受けそうに無い、機能不能になって基地としても利用価値がなくなったら、アメリカは日本をただ見捨てるだけだろう、、等々、いくらでも好都合な理由がありますから。
先日の『ヒロシマ・ナガサキ』の映画の冒頭で、東京で遊んでいる若者達が(そういうのばかり選んだのでしょうけど)、1945年8月6日(9日)に何が起きたかと問われ、答えられずに「何だろ?」「ナ~ニ~?」と能天気に言っているシーンが次から次へと出て、日本人として情けない思いをしました。
日本の今のぬくぬくとした平和がいかに板子一枚下は地獄のものか、一人一人が現実から眼をそむけずに、真剣に考えて行かないといけないと思います。アメリカが先制攻撃もありうるとしている方向は是が非でも止めなければなりません。既にアメリカは劣化ウラン弾という放射能の武器を使用している国です。テロリストへの先制核攻撃も、そんなに遠いことではないかもしれません。もし、それが起きてしまったら、この報復は一段と激しいものになるでしょう。地球全滅への後戻りできない道になりかねません。
国民の支持を完全に失ったブッシュが、起死回生をねらってやけくそでやるかもしれませんし、ヒラリーが次期大統領になったら、彼女はやりかねない人だと私は個人的に思っています。単なる勘のレベルをそう超えていませんが、私なりの根拠はあります。今、私達は本当に瀬戸際に来ているのだと思います。少なくても、核廃絶・テロ対策の大きな転換を真剣に現実に進めなければどうにもならない瀬戸際に、、、。
by bs2005 | 2007-08-14 00:46 | TON同盟