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世界遺産の平和力

石見銀山の世界遺産逆転決定。久しぶりの嬉しいニュースでしたね。世界遺産委員会による登録不掲載の結論を聞いたばかりの逆転。驚きながらも、何故こういう逆転が起きたのかと不思議に思っていました。



先日、この逆転決定についてのNHKの番組で初めて理由を知りました。例によって細部は忘れてしまいましたし、皆様ご周知のことかとも思いますが、大雑把なところで書かせて頂くと(いつものことですがー汗)、日本は石見銀山の経済的意義ー東アジアの経済を活性化した、西洋と東洋の活発な経済的交流を支えた、等)を訴えていたのですが、その点ではあまり評価されずに登録候補不掲載となったそうです。

それが、ほんの数日後の大逆転となったのは、ユネスコ関係者を初めとした人々の外交努力によるものだそうで、その論点として認められたのは、石見銀山の自然環境配慮の視点だそうです。(この辺の詳細はWikipedia「石見銀山」の最後部をご参照ください。)

多くの鉱山と違って、回りの自然環境を破壊しないで、それを保存しつつ開発した技術。それが16世紀にあったということへの驚異。そこにこそ、環境への意識が盛んに謳われる21世紀に於いての意義が大きいというのが、逆転の理由であったとか。確かに写真で見ると素晴らしい景観ですね。

16世紀にそういう配慮があったというのは、本来の日本民族が自然を愛し、大事にしてきた民族であるという誇りを感じさせられます。同時につい最近までの環境を省みない開発ラッシュに対して、そういう民族の後裔として反省もさせられます。

石見銀山が世界遺産として認められたことを契機に、日本人が本来持っていたそういう感性を日本の武器として生かして行きたいと改めて思います。

いつも思うのですが、世界遺産という考え方は、どの国にもそういう大事なものがあること、それを愛おしむ人々がそこに住んでいることを思い起こさせます。それを世界全体の遺産として大事にして行こうという意識は、素朴なレベルではあれ、世界をつなぐ平和力を持っているように思います。世界中の人が、どの国の世界遺産も大事にする気持ちを持って行けたらと切に思います。

by bs2005 | 2007-07-13 02:33 | 徒然の瞑想  

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