米元高官らによる「核兵器のない世界」提言記事のご紹介

日本の政府は、過去の原爆への腰砕けの姿勢のみならず、北朝鮮の核実験の脅威が起きるや否や、日本も核武装化を考慮になどと言い出しました。そして「国際環境が変わった、憲法はそれに見合わない」とか、集団的自衛権とかを持ち出し、有識者会議なるものなどを使って、あたかもそれが現実的でまっとうな道のような世論操作が行われています。



そんな中で、過去の米政権の中枢に居た外交、軍事、防衛の専門家、日本でも超有名な人々が、今年の1月4日付けで核廃絶を訴える提言をウォールストリートジャーナル紙に寄稿しました。この高官達はニクソン、フォード政権のキッシンジャー元国務長官のほか、レーガン政権のシュルツ元国務長官、クリントン政権のペリー元国防長官、ナン元上院軍事委員長です。

その提言の中で、核兵器による抑止力を求める国策はもう時代遅れのもので、有効ですらないと言い切っていることに大いに興味を惹かれましたし、日本の今の政治家、防衛専門家が軍事力で日本を守れるとか、核で日本を守れると思っていることの方が非現実的なのだとずっと言い続けてきた私は大いに勇気付けられました。

この提言の最後には
「核兵器のない世界というビジョンと、その目標達成に向けた具体的な手段を再び主張することは、アメリカの倫理的伝統に合致する大胆なイニシアチブとなるであろうし、また、そのようにみなされるであろう。その努力は、将来の世代の安全保障に非常に積極的なインパクトを与えることができる。この大胆なビジョンなしに行動しても、それは公正とも緊急性があるとも受け取られないだろう。そして行動を伴わないビジョンは、現実的でもなく可能性もないと受け取られてしまうだろう。」
と書かれています。

この記事を紹介してくださったのはらふぃーさんです。彼女の記事の中では翻訳はなく、お忙しい彼女には翻訳する時間はないと思ったので、暇を持て余している私がするつもりでしたが、幸い、彼女が翻訳を見つけてくれました。詳しく読みたい方はそちらを。→翻訳=日本原水協国際部

これは世界を股にかけて活躍したアメリカ元高官からの提言ですが、さすがに日本の現在の政治家よりはるかに国際情勢の現実を見ていると思います。しかし、彼らの望むように、アメリカがこの方針をリーダーシップを握って動けるかというと大いに疑問です。言ってみればアメリカの手は汚れているからです。原爆投下国という歴史的意味でも、現在、膨大な核軍備をしている国という意味でも、、。

彼らの言うことにすぐホイホイと従う国があるでしょうか。日本こそ、そのリーダーとなれる力を持った国です。日本はアメリカがこういう道を歩めるように道ならしを出来る世界で唯一無二の国です。被爆国であり、戦争放棄をした国として。その為にも、アメリカに原爆投下の反省を国際社会の場で表明することを促していかなければならないし、その真摯な表明抜きには、これらの高官の提言は夢物語にしかならないでしょう。

日本がその力をフルに発揮するためには戦争放棄・非核の平和主義の立場を捨ててはならないのです。それこそが日本がリーダーシップを握れる大きい武器です。その二つの力ー非核と平和主義ーを自分から打ち捨てて行こうとする今の指導者達。この提言を果たして真面目に検討したのでしょうか。読んですらいないのではと思います。アメリカが本気で国としてこういう方向に動いて行って核の傘すら無くなるとしたら、今の指導者に導かれた日本は世界の孤児になりかねないと思います。

何が本当に現実的なのか、時代遅れなのか、もう一度真剣に考え直す必要があることを改めて考えさせてくれる意味のある記事だと思います。
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by bs2005 | 2007-07-12 12:05 | TON同盟  

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