安倍総理の質問の落とし穴

心配した通り、有識者会議なるものは、集団防衛を正当化する為の初めに結論ありきの人選のようだ。そういうものであってはならないと言っているが、現にそういうものだ。人選を見ても露骨な位、明らかで、結論は見えている。




安倍さんは問う。アメリカを攻撃するミサイルが日本の領海を飛び越えて行くのを黙ってみていて良いのか。そういう態度が許されるかと。

問題は二つある。国の防衛のあり方をそういう感情論、道徳論で決めてはならない。したたかであれということはそういうことだ。それが日本の国益にあうか、日本の安全を守ることになるか。

安倍さんは北朝鮮の脅威、テロの脅威などを上げて日本の安全を守るためというが、果たしてそれが安全を守る道だろうか。厳密に実践的に長期的に検証してどうか?

日本の軍事力、極東における政治的立場、地理的条件、どれから考えてもそうはならない。アメリカは逆の立場に立ったとしても、日本の為に国益を犠牲にしたりしない。必要があれば見捨てる。アメリカが立ち上がるとしたら、それはひとえにアメリカの国益の為だ。何も義理に感じることはない。国際政治は義理では動かない。動いてはならない。

道徳論で許すかどうか語るならば、よその国の国民を拉致したり、不正な手段で築いたお金を、核武装したからと言ってテロを支援する国ではないように豹変して扱うアメリカの態度が許されるのだろうか。何度も言うけど、国際政治は道徳で動いているのではない。国益で動いている。許されるかどうかではなく国益で考えるべきだ。短期的にではなく長期的な国益で。

もう一つの問題は想定が現実的でない。アメリカに向けたミサイルが日本の上空を飛ぶ事態があったとしてーそれはあり得ないことではないーアメリカが指をくわえて見ているだろうか?まさにそのためにこそ、アメリカは日本を初め、アジアに軍を駐留させて来ている。そういう事態が起きたら、真っ先に動くのはアメリカだ。日本が気づくよりも先に。

日本やアジアを守るために彼らが居るわけではない。正に、そのためにこそ居るのだから、日本が心配しなくても彼らは日本以上に有効に動ける。彼らがそれでもアメリカ本土への攻撃を防げなかったとしたら、日本にだってそれは防げない。アメリカの軍事力で出来ないことを日本に出来るわけもない。

迎撃ミサイルの有効性というのは、あらゆる条件が有利に動いたと仮定しても、8割にも及ばないそうだ。気象条件、その他の不利な現実的条件を考えれば、もっと防げる確率は低い。しかし、日本がそういう攻撃に参加した事実は、日本をとんでもないところに連れて行ってしまう。

許されるのか、というような質問を首相がするのは、国民に対しての心理的脅迫のようなもので、そういう形で国民に決断を迫るのは卑怯ですらあると思う。
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by bs2005 | 2007-04-26 09:38 | TON同盟  

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