「学校に行かなくたっていいんだよ」

苛めに苦しむ子供に親や周りはそう言ってあげるべきだという意見を耳にする。そもそも義務教育は、親や社会が子供に教育を与える義務で、子供が行かなければならない義務ではない。そういう意味でも正論だとは思う。



でも、親や周りがそう言ったとしても、子供はなかなかそう思えないのではないか。親や周りが言うから行くというより、社会がそう言っている。学校に行かなければ落伍者だと。その圧力は大きいのだと思う。

アメリカではホーム・スクールというのが認められている。学校に行かなくても親が家で教えればよい。親が教えきれない科目は家庭教師を雇ったり、他の同じような親と協力しあって、教えあったりしている。

苛め対策というより、学校の教育に満足しない親がやるケースも多い。そういうホーム・スクールの子供達が同年代の子供と交流できるように親同士が作ったグループ活動もあったりするし、地域のサークル活動などに参加して、その面は補っている。

ホーム・スクールと言っても、そのカリキュラムは然るべきところでチェックされ、子供が与えられる教育が基準を充たすものでなければならない。だから、家で勝手に教えていて済むわけではない。しかし、その基準を充たして成長していれば、親がもう教えきれなくなったどの段階からでも普通の学校に受け入れてもらえる。

学校に行かなくてもいいことがシステム的に保証されているというのは良いと思う。それだけで、学校は行かなければならない絶対的価値を持った存在ではないというメッセージが社会に伝わる。

ホームスクールを実現するには親の知的レベルは相当高いものを要求されるし、仕事を持つ親には難しい。家庭教師を雇うには高収入でもなければならないから、誰でも出来るものでもない。日本で直ちに実現できるかと言えば、難しいことの方が多いだろう。

それは無理でもせめて、高校を卒業しなくても大学を受験できる大検制度があるように、高校検定、中学検定みたいなものが出来ると良いのではないか。

学校に通わなくても、そのレベルに達していれば上の学校に行ける。そういう検定制度が出来ると、学校に通わなくてもいいのだというメッセージは伝わるように思う。

これで解決するほど苛め問題が簡単なものとは決して思わないが、色々な場でそういう選択肢を増やして行くことが、硬直し閉塞した日本社会に穴を開けていく一つの試みにはなるのではないか。
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by bs2005 | 2007-02-08 02:38 | 異論・曲論  

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