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今日のお別れ

先日急死したテニスの友人のお別れの式に参加して来た。




まだ付き合いの浅い友人だったので、知らないことの方が多かった。60歳位かと思っていたら、自分より3つも年下だった。まだ54歳!逝くには早すぎる、、。健康そうに見えたと思ったのは間違いでなく、何と結婚生活28年で二度風邪を引いたことがあるだけなのだとか。

唯一、偏頭痛の傾向はあったそうだけど、こんな形で亡くなるとは誰も夢にも思っていなかったことだけは確かのようだった。ジムにもよく行き、ウエイトトレーニングなどに励み、雨が降ろうが風が吹こうが、毎朝6時に3キロほど走り、週末には10キロ近いハイキングをやってもいたのだという。

評判のおしどり夫婦で子供は居なかったので何をするにも一緒。だから車も1台で生活出来ていたそうだ。このアメリカで一台で暮らすには、余程一緒でないとそうは行かない。歯医者も一緒に出かける位だったという。

こちらのお別れ会の例にもれず、追悼の言葉は生前の明るくユーモアたっぷりの故人の姿を伝えようとするので、笑いがあちこちで起きる。私もすっかりそれに馴染んでしまったので、その方が故人を生き生きと感じて気持ち良い。優しくて気配りの行き届いた快活な彼女が、まざまざと目に浮かんで余計追悼の真摯な気持ちが湧いた。

ご主人が最後に壇にあがって、彼女の思い出を語った。所々、涙で詰まっていたけど、笑いも沢山ある素敵なスピーチだった。以下に要約します。心を打つものだったので、、。

彼女と初めて会ったのは、彼女が大学を卒業する年だった。彼女のお父さんと僕はテニス友達だった。ある日、そのお父さんが「娘が今まで付き合っていた男と別れたばかりなんだけど、デートする気はないかい」と訊いてきた。(ここで笑いが出た。)

そのお父さんは大男で腕力も強そうだったので、(ご主人は小柄)気は進まなかったけど仕方なくイエスと言ったら(ここでも笑い)、電話番号を渡された。それで渋々電話をかけ、パーティに出かけることになった。家に着いてベルを押したら、小柄で金髪の実に魅力的な女性が現れ、思わず、「あなたがその人だととっても嬉しいんだけど」と言ってしまった。(ここで大きい笑い)

彼女も笑いながら、他に誰が出てくると思ったの?と言って、中に引き入れてくれ、それからパーティに出かけた。そこで二人は話して話して話して、そして外見の美しさ以上に、何よりも強烈に印象づけられたのは、彼女が素晴らしい聞き手だということだった。普通、話を聞いている相手というのは、こちらが話を止めて自分の話す番が来るのを今か今かと待っている。(笑)彼女にはそんなところが全然無かった。その時気付いてはいなかったけれど、あの初めての日から、僕は恋に落ちて彼女に夢中になってしまったのだと思う。

それからずっと僕達は二人一緒で、特に彼女が仕事から引退してからは、僕の傍にはいつも彼女が、彼女の傍にはいつも僕が居て、何でも一緒にやった。朝、彼女が女友達とテニスというときは僕が送り迎えし、昼には家に戻って、一緒に昼ごはんを食べながらあらゆることを話した。夕食のときもそうだった。毎日、話しても話しても話題の尽きることはなかった。(ここでしばらく絶句。会場からもすすり泣きの声。)

彼女は本当に本当に素晴らしい人だった。彼女に会えて本当に幸せな人生だった。皆さんが彼女と知り合える機会を持てたことをとても嬉しく思っています。今日は来てくれて有難う。

by bs2005 | 2007-01-18 08:40 | 徒然の瞑想  

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