報道の闇

昨年、ドイツ在住の韓国の方達を中心に(日本人も参加したそうです。)従軍慰安婦として強制的に働かされた韓国の女性たちに日本は正当に謝罪せよ、というデモと日本大使館前でシュプレヒコールを繰り返す、という行動があったそうです。





日本大使館では職員が閉じられたブラインドの隙間からちらっとのぞいただけで、沈黙を守ったまま。代表が渡した請願書もどう処理されたのか不明。日本のメディアも支局があるのに赤旗以外は取材に来なかったそうです。この話、ご存知だった方、どの位おられますか?

アメリカに居ると、日本とアメリカそれぞれのマスコミが語らないこと、知らんぷりすることがよく見えます。アメリカでは語られることが、日本では語られなかったり、日本で語られるのにアメリカでは語られない。お互いに無縁の話ではないテーマなのに、都合の悪いことは頬かむりです。

ここで気をつけなければいけないことは、マスコミが権力におもねるからというより、マスコミは国民が嫌がる話を避けるからだということです。背中を向けられ売れなくなるからです。一般市民の責任はその意味で重いです。

アメリカでそういうのを見続けていて、政治家、マスコミ、知識人の言うことを鵜呑みにしないで、自分の頭で考えるのが自然に習慣になりましたし、それを固く決意するようになりました。

先の大戦のことも、日本の教育できちんと正確に教えられる機会もありませんでした。色々な立場・見解の違いや、時間が経っていることによる事実の不正確さ等々があって、真実を摑むことは日に日に難しくなっていますが、色々な立場・異なる意見に、色々な機会に耳を傾けるということがとても大事なのだと思います。

「群盲、象を撫ず」という言葉があります。言うまでもなく、そもそもの意味は、ごく一部しか見ていないのに全体を見たような気になって、えらそうに語ることを揶揄した表現ですが、たとえ一人一人が盲人でも、自分の触ったものが全体のごくごく一部でも、お互いに伝え合うことによって、ぼんやりとでも全体が見えてくるように思います。ブログはそれに大きく貢献するものだろうと思っています。

hisako-baaba さんから先日の記事に初めてのコメントを頂きました。複数のコメントを編集してご紹介させて頂きます。
兄(84歳)は中国戦線に6年いました。日本軍の残虐行為を目にしたことが多々あります。近年当時の中国での事を書き始めて、ホームページ(注:日中戦争の中の青春ー日中戦争時代―、戦場の中国で若きスパイとなった男の、せつない物語)になっています。何回か若い方々の集まりで話をしました。南京大虐殺の一年二ヵ月後に中国に着いた兄は、実行した兵士から当時の事を色々聞いております。

私のブログでは1年ほど前何回か戦争体験を書いております。


最近のきな臭い政治の動きの怖さを一番尖鋭に肌身で感じておられるのは、戦争を経験された世代のように思います。そういう方達の貴重なメッセージを受け止めて行きたいものです。

今、クリント・イーストウッド監督の映画が日本で(のみ?)話題になっています。アメリカ側の話も日本側の話も、アメリカの一般国民は耳を傾けたくない話です。アメリカ側の話も今までのように愛国心を鼓舞するものではないからです。愛国の幻想の中で酔っていたいのでしょう。

それをとことん知り、興行的には成功しないとわかっていて、映画にしたイーストウッド監督の勇気と知性に感動を覚えますが、結果はアメリカ側の話ですら案の定、大して話題にならないまま終わってしまいました。日本側の話の興行成績はどうなるのか悲観してしまいます。

日本の方々も日本側の話だけでなく、是非アメリカ側の話、作られた愛国心の話もご覧ください。日本で流行らせ、もう一度逆輸入のようにそのブームを引き起こして、多くのアメリカ人に見てもらいたいです。先ずアメリカ側の話を見なければ、大抵のアメリカ人は日本側の話を見ようともしないでしょうから。

それぞれの国の人々が、聞きたくない辛い話にも耳を傾け、マスコミ、政治団体・政治家、知識人のいうことを鵜呑みにしないで、どんなに小さいことでも自分の頭で考える姿勢を持つことが、平和のためにとても大切なことだと思います。

追記:ブログを始めたばかりのごく初期を除いて、私は今までアクセス数を見ないで記事を書いて来ました。こういう記事は政治的なものとして敬遠される方が多いだろうし、アクセスも減るだろう。自分も弱い人間、アクセスが多いと知れば、そちらの類のものを重点的に書きたくなるだろうし、少ないものはめげてしまうだろう。そうしたら、自分が本当に書くべき記事、アメリカと日本の報道の闇の中で見てきたものを書く気持ちが萎えてしまう。それを怖れたのが主な理由でした。

今回TON同盟に参加表明をして下さるような方々が、私の想像をはるかに超えて居らしたことや、そういう形でなくても、コメントやTBを送ってくださったり、noodleさんのように、コメントを残しにくいけれどぶんさんの書いていることは大事なことですと言ってくださる方、非公開でそう伝えてくださる方達が居てくださることが分り、本当に心強い思いにさせていただきましたし、自分に鞭を打って書き続けたことに少しは意味があったように思えるようになりました。心から深く深くお礼申し上げます。
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by bs2005 | 2006-12-10 01:30 | TON同盟  

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