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夏休みの宿題

中学を卒業して何が一番嬉しかったといえば、夏休みの宿題から解放されたことのような気がする。記憶ではーなんせ半世紀も昔だから定かじゃないけど、高校からは夏休みの宿題はなかった気がする。






小学校のころの8月31日なんて、泣きたい思いだった。どう考えても終わる筈もない。親は何故もっと計画的にやらなかったんだとガミガミ叱る一方で、傍に張り付いて手伝ってくれる。小言を言われながら手伝ってもらうのも、有り難いような辛いような、身の置き所のない感じ、、。子供のころは9時には家中真っ暗になる家だったのに、その頃だけ深夜まで煌煌としていた。翌日寝ぼけ半分の登校の辛かったこと。

中学校の頃は、ついにある年、どうやっても間に合わなかった。とりあえず、間に合ったものだけ持って行って、嘘のつけないタイプだったのに、清水寺の舞台から飛び降りるつもりで嘘を言った。「持ってくるの忘れました。」と。そしたらいともあっさりと「じゃ明日、持ってらっしゃい」と言われたときのあの安堵感。今から思うと、先生の方も苦肉の策の嘘って分っていたのかも知れない、。

その年、間に合わなかったのは、数学の分厚い問題集のせいだった。一ページにぎっしりの問題を一日休みなく10ページ位やっても間に合わない計算。ちょっと出かけたりするとその日は20ページ以上、なんて拷問のような宿題だった。それを終わらせるのに時間を取られて、他のに手が回りきらなかった。

何度も泣き泣き狂おしい思いでそれを仕上げたのに、学期が始まったら全部終えられた人の方が少なかった。先生も「どうせ無理だとは思っていたんだ。ハハハ。」なんて呑気な顔で言う。あの時の「そ、そんなのアリ~?!」と思った気持ちは忘れられない。あれから私の中の何かがグレたような気がする。

宿題が間に合わなくて自殺した子供のニュースを見た。その子供の追い詰められた気持ちが痛いほど分る。そういうことで子供さんを失った親御さんの気持ちを思うと本当に忍びない。その子がもう少し早くグレていたら、死なずに済んだのかも。合掌。

by bs2005 | 2006-09-03 11:37 | 待夢すりっぷ  

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