彼我の差
2006年 05月 08日
意見が一致しなかったのは、戦争責任の話ではなく、アメリカの評価だった。ドイツは肯定的、フランスは批判的というところが一致しなかったけど、無理やり一致させることよりも、それぞれの見方を提出して、それをクラスでも論じれば良いのだからと言っていた。両方とも大人の国だなあと感じた。
翻って日本は未だに学校でまともに現代史を教わってさえ居ない。意図的に学年末には時間切れになる繰り返しのせいだ。歴史観に関しては、アジア諸国に文句ばかり言われている。南京大虐殺に関しては、山本七平さんの本によると、日本のセンセーショナリズムに走るジャーナリストが作り上げた部分が大きいのだという。戦争中、アジアで日本が悪いことをしなかったわけではない。だが、そういう事実でない歪曲されたことがまかり通っている。
お互いが冷静になって、きちんと相手の言い分を聞き、事実でないものはきちんと正し、どうしても同意できない部分は併記して、そういう問題、見方があるのだと理解することは大事なことだと思う。
数学や理科とは違い、社会科は歴史観、価値観、もろもろの要素で違って当たり前、むしろ人によって、国によって、民族によって違うのだということを理解することが大事な学科だと思う。くさいものに蓋をして、目をそむけて、自分達の国の歴史的ありかたをきちんと主張できないまま、ひとごとのように語る世代がどんどん増えて行けば、グローバル社会の中で、取り返しのつかないことになりかねない。改めて、仏独、特に日本と同じ敗戦国であったドイツの成熟度を羨ましく思った。
by bs2005 | 2006-05-08 02:29 | 異論・曲論