マリアンの夢
2006年 04月 12日
生きている頃、彼女はよくこう言っていた。
アメリカという国は、壮大な実験に挑戦しているのよ。世界中の人が国籍、宗教、人種、そういうもの全てを超えて、仲良く共存できる筈だという実験にね。だから、色々な国からどんどん人を受け入れているの。
勿論、その過程では色々な問題も出てくるわ。でも、人間はきっとその叡智で乗り越えられる。人種問題だって、まだ理想とは程遠いけど、ずいぶん乗り越えてきた。
国と国の問題だって、宗教の問題だって、これからも乗り越えなければいけないことは、果てしなくあるけど、でも、いつか、この実験に成功できると私は信じているの。人間が人間である基本を見据えれば、そんな違いは乗り越えられる筈。
この壮大な実験に挑戦しているアメリカという国を、私は心から誇りに思っているし、愛しているのよ。
彼女は、敬虔なクリスチャンで、いつも前向きに生きてきた人だった。彼女は9・11も今のイラクも知らずに天国に行ってしまった。今、生きていたら彼女はどう言っただろう、とふと考えるときがある。マリアンは夢を抱いたまま、逝ってしまった。アメリカン・ドリームというのは本来マリアンの持っていた夢だったように思う。
by bs2005 | 2006-04-12 15:53 | 徒然の瞑想