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マリアンの夢

マリアンは9・11の2年前の冬に亡くなった。

生きている頃、彼女はよくこう言っていた。
アメリカという国は、壮大な実験に挑戦しているのよ。世界中の人が国籍、宗教、人種、そういうもの全てを超えて、仲良く共存できる筈だという実験にね。だから、色々な国からどんどん人を受け入れているの。

勿論、その過程では色々な問題も出てくるわ。でも、人間はきっとその叡智で乗り越えられる。人種問題だって、まだ理想とは程遠いけど、ずいぶん乗り越えてきた。

国と国の問題だって、宗教の問題だって、これからも乗り越えなければいけないことは、果てしなくあるけど、でも、いつか、この実験に成功できると私は信じているの。人間が人間である基本を見据えれば、そんな違いは乗り越えられる筈。

この壮大な実験に挑戦しているアメリカという国を、私は心から誇りに思っているし、愛しているのよ。


彼女は、敬虔なクリスチャンで、いつも前向きに生きてきた人だった。彼女は9・11も今のイラクも知らずに天国に行ってしまった。今、生きていたら彼女はどう言っただろう、とふと考えるときがある。マリアンは夢を抱いたまま、逝ってしまった。アメリカン・ドリームというのは本来マリアンの持っていた夢だったように思う。

by bs2005 | 2006-04-12 15:53 | 徒然の瞑想  

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