バシー海峡の悲劇 番外

この飛び飛びの連載を読み飛ばさないでお付き合い下さっている方々へ

(読み飛ばしておられる方は気がねなく、これも読み飛ばしてください。)また、読んで下さっている方でも番外篇なので、読まなくても支障はないです。飛び飛びの連載の為に、視点を確認しているだけですので。




その1でも述べたように、基本的にこの連載記事は山本七平さんの『日本はなぜ敗れるのか』という本のバシー海峡についての部分に重点を置いた紹介記事です。

山本七平さんのスタンスは、戦争を起こした加害者と巻き込まれた被害者という視点からではないし、また、自分を外に置いた高みからの視点ではありません。別の著書に『私の中の日本軍』という本があるように、自分の問題として、日本人が民族として抱えている問題として、きちんと向き合う姿勢に貫かれています。

「なぜ敗れたか」という過去形ではなく、「なぜ敗れるのか」という現在形でタイトルが存在しているということにも深い意味があると思います。あの戦争をあのように戦ってしまった日本人の本質的な問題は、今の日本人の問題でもあるという視点です。

戦争中の「彼等の問題」ではなく、「私たちの問題」だということです。過去をほじくり返して弾劾する為ではなく、自分達の今の問題として向き合うことが必要だという彼の視点に、深く共感を覚えている訳です。

指導者が責任を取るべき部分は勿論あります。戦争の状況の一番の真実を知っていた指導者と、それを知らずに、あるいは知っていても全く無力で抵抗することも出来ずに送り込まれて行った人々は、責任のレベルでは同じ次元では語れないし、それを一緒くたにした靖国で慰霊を考えるのは不当なことだと思います。指導者が指導者として担うべき責任は厳としてあると思います。ただ、それが根幹の問題ではないのです。

連載の記事の間隔が空いているので、断片的に読んで頂くと、指導者層、上層部を弾劾するためだけの記事のように受け取られても仕方のない展開になっていますが、山本七平さんの名誉の為にも、途中ですが、その点だけ強調しておきたいと思います。

「彼等の問題ではなく私たちの問題だ」という根幹の部分に、なかなかたどり着けなくて、本当にすみません。
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by bs2005 | 2006-04-10 12:18 | TON同盟  

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