批判の姿勢

何かを批判するとき、自分は絶対にそんなことはしないと言わんばかりの、それと一線を画しているのだと言い方をする人を好きになれない。鬼の首でも取ったような調子で批判するのを見聞きすると、激しい反発を感じる。私自身もそういう言い方をしているときがあるかもしれないけど、そういう自分は嫌いだ。




同じものを自分の中に見られる人、そういう内省力を持った人が好きだ。たとえ、それがその人の中のどこを探してもないものだとしても、自分がそういう育ち方、そういう背景、あるいは、そういう運命を背負わされたら、自分も持っていたかもしれない、自分も同じことをしていたかもしれないという同情を失わない人が好きだ。人を斬ったその刀で自分を斬ることを厭わない人が好きだ。

そういう意味で、私は山本七平さんの批判の姿勢が好きだ。彼は、そういう居丈高な、高みにたった地点からひとことも発言していない。常に自分の内省を忘れていない。そういう批判の姿勢を持っていない評論家が何と多いことか。
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by bs2005 | 2006-04-09 07:53 | 異論・曲論  

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