カレル・ヴァン・ウォルフレン『人間を幸福にしない日本というシステム』より

この間、私が記事で書いたり、古賀さんが本で書いたりしてきていること、原発問題の本質的問題ーつまり日本の構造の問題を鋭く抉り出していると思いますので、タコームさんが紹介して下さった彼女のサイトから一部引用します。

第1-1章 偽りの現実と閉ざされた社会

30 市民とは何か

市民とは政治的に意味をもつ存在だ。市民とは、自分のまわりの世界がどう組織されるかは自分の行動にかかっていると、おりにふれてみずからに言い聞かせる人間である。市民はつねに、社会における自分たちの運命について理解を深めようとつとめる。

市民にとっては、自分がどのような状況におかれているか、その現実を知ることが決定的に重要だ。変えるべき対象について正確に知らなくては、変えようがないからである。

31 日本では民主主義は可能性に留まっている

ここで、もう一つの概念を理解する必要がでてくる。「偽りの現実(false reality )」という概念である。

日本では民主主義はまだ実現していない。いぜんとして可能性にとどまっている。そして、私の言う偽りの現実が人々の頭からかたときも離れず、おそらく日本に民主主義が生まれるのをはばむ最大の障害となっている。」

38 「しかたがない」について

「しかたがない」と言うことは、政治的な主張である。

...「しかたがない」というたびに、いま自分が問題にしている点を改めようとする試みが、すべて失敗に終ると言っているのに等しいからだ。こうして、変革をもたらそうとする試みはいっさい成功しないと考えるよう、他の人々に勧めていることになる。

...「しかたがない」というひとことの力で、日本人を政治的に閉じこめる檻の格子はしっかりと閉ざされる。..もっと自分通りに生きたいと考えるなら、「しかたがない」という一句を自分の辞書から追放したほうがいい。しかし、そうするためには、まず勇気が必要だ。...」

43 公式には民主主義国である日本が、なぜこれほど官僚に支配されつづけているのか

--これは、日本の市民がつねに自問すべき最大の問題である。なぜなら、官僚は選挙で市民に選ばれたのではなく、市民の選んだ代表によって任命されたのでもないからだ。官僚は、政府の省庁につとめているというだけで、権力を手にしている。

彼等がこれらの省庁に入れたのは、たいていの場合、東大の入学試験に合格できたからにすぎない。彼等は、国家の運営に必要な英知を東大で吸収できたとでもいうのだろうか。そんなはずはない。東大にしても他の有名大学にしても、政治についてはずっと以前からひどく時代遅れの教育機関になっているからだ。このような遅れた環境のなかでは英知は育まれない。」

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by bs2005 | 2011-08-24 15:17 | TON同盟  

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