古賀茂明氏のスタンスー『日本中枢の崩壊』より

現役官僚でありながら、政府を批判したが故に、一年以上「大臣官房付き」というポスト=事実上、仕事を与えられず干されている古賀氏の孤軍奮闘ぶりは、徐々に人に知られ始めています。

こういう人の発言を拡散して行くことは、反原発が原発の危険を訴えるだけでは達成されない、もっともっと深い日本のあり方の本質に関わっている問題である以上、不可欠のことと思います。

彼のスタンスを『日本中枢の崩壊』の中から数箇所ご紹介させて頂きます。どうぞ、この本に限らず、彼の著作を読んで頂ければと思います。

私を駆り立てているもの、それを一言で表現すれば「危機感」である。私には、現在、日本は沈没するか否かの瀬戸際にあるという強い危機感がある。それは東日本大震災があったからではない。

世界の国々は、凄まじい変化に対応するため、常に変革を繰り返してきた。ところが、われわれの国、日本では、変革は遅々として進まず、閉塞状態に陥っている。

日本の国という列車を牽引している政治、行政のシステムがあまりにも古びていて、世界の変化に対応できないのだ。

現在の国家公務員制度の本質的問題は、官僚が国家のために働くシステムになっていないという点に尽きる。大半の官僚が内向きの論理にとらわれ、外の世界からは目をそむけ、省益誘導に血道を上げているとどうなるか。昨今の日本の凋落ぶりが、その答えだ。

東電が経済界では断トツの力を持つ日本最大の調達企業であること、他の電力会社とともに自民党の有力な政治家をほぼその影響下に置いていること、電力総連という組合を動かせば民主党もいうことを聞くという自信を持っていること、巨額の広告料でテレビ局や新聞などに対する支配を確立していること、学界に対しても直接間接の研究支援などで絶大な影響力を持っていること、などによるものである。

 簡単にいえば、誰も東電には逆らえないのである。

こうした巨大な力を見せつけられてきた経済官僚が、本気で東電と戦うのは命懸けだ。

福島原発の事故処理を見て、優秀なはずの官僚がいかにそうでないか明白になった。いや、無能にさえ見えた。専門性のない官僚が、もっとも専門性が要求される分野で規制を実施している恐ろしさ、安全神話に安住し、自らの無謬性を信じて疑わない官僚の愚かさ、想定外を連発していたが、すべて過去に指摘を受けていた。ただ、それに耳を貸さなかっただけ、「想定外症候群」と呼べる。

しかし、これらの問題は、決して今日に始まったことではない。何十年という歳月をかけて築かれた日本の構造問題そのものである。未曾有の危機だから、それが極めて分かりやすいかたちで、国民の目に晒されたに過ぎない。「日本中枢の崩壊」の一つの縮図が、この危機に際して現れた、そういって良いだろう。

政権が短期間で交代し、猫の目のように変わる状況になると、霞ヶ関の守旧派の思う壷になる。どんな政権であれ、じっくり腰を落ち着けて、公務員制度改革、そして新たな日本創造に邁進していただきたいと願っている。


注:最後がゴシック体になっているのは、私の特に共感する部分なので、、。
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by bs2005 | 2011-08-23 15:45 | TON同盟  

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