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You are entitled to your opinion.

日本人のディベート観で一番勘違いしていること、ディベートと討論というものが基本的に似て非なるものになってしまっているもの、その基本にあるのがこのタイトルの考え方だと思う。日本人にはこの基本が欠けている。

「あなたはあなたの意見を持つ権利があり、あなたの信じる所を信じる権利があり、私はそれを尊重する」というような意味になる。

この考えが基本にあると、どうなるか?

「あなたの言うことは間違っています!」とか、「あなたの意見はおかしいと思います!」とか言わないということである。たとえ心で思っていても、そう言うことは大変失礼だと心から理解しているということである。顔を引きつらせて相手を睨んで反論したりしないということである。

言うとしたら、「私が間違っているかもしれませんが」とか「個人的見解に過ぎませんが」と切り出す。少なくても周りから尊敬される知的な人間は相手を全否定したりしない。それだけで知性を疑われてしまうからである。日本人は討論というと、論理で相手を打ち負かすという感覚になる。そういう感覚とディベートは無縁なものである。

その自覚に欠け、日本人同士が討論する時にはよく口にする「あなたは間違っている」「その考え方はおかしい」などという言葉を、そのまま英語に訳してアメリカ人の同席する会議などで使うから、相手を激怒させてしまう。そして何故相手が激怒しているかも分からない。その傲慢な失礼さに思いが及ばないのだ。

お互いがお互いを理解し、寄り添う為にディベートは為されるのだから、相手に対する敬意を失ってはいけないし、相手を全否定するようなことも言ってはいけない。謙虚に相手の言うことを聞き、理解し、丁寧に反論をにこやかに伝える。それが基本である。

最近、ハーバード大学の教授の白熱教室の番組宣伝をよく見る。男の人が「人類を救うためならば一人を殺すこともありうる」というようなことを言う。それに対して、顔を引きつらせて敵意をむき出しにして女性が「あなたのいうことは完全に間違っています!」と居丈高に鼻息も荒く言う。

こういう態度そのものがディベートに於いて許されないものであり、ディベートが成熟した論議であることを理解していないことを示してしまっている。最高学府と言われる東大でこのお粗末さである。

インド人は議論好きである。人が集まると延々とやり出す。しかし、彼らは終始一貫してにこやかに論議を楽しめる。論議という次元での日本人の未熟さはもっともっと焦点を当てられて猛省すべきことである。そうでなければ、日本人は国際社会の場でやっていけない。ここでも国際性の無さ、未熟さを暴露して行くことになってしまう。

・・・かく言う私も夫婦喧嘩ともなると口角泡を飛ばして、相手を打ち負かすことしか考えていない。(爆)私もディベートに関しては未熟そのものの日本人丸出しである。夫婦喧嘩だって本来はお互いを深く理解しあう為のものであるべきなのだが、、(汗) 私自身も含めて、日本人がスマートなディベートを出来るようになるのはいつの日のことか、、、(息)。

by bs2005 | 2010-11-13 03:39 | こんな英語表現  

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