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人を救うもの

rip-offで書いたように、車のディーラーやガソリンスタンドのぼったくりに散々カモにされてきた私だが、loaner(無料貸与車)で書いたガソリン・スタンドは全然違った。今どき、修理の間に車を無料貸与してくれるところなんて珍しい。そういう好意を見せてくれるところはやはり他とは違った。

その時貸してくれた車は大分埃だらけになっていて、前が見にくい位だったので、フロントグラスを洗うついでに車全体を洗って返した。洗っただけで、既に色があせているような車だったのでワックスを塗るところまではしていない。それだけのことなのに、そのガソリンスタンドのオーナーは感激してくれて、そこから良い関係が始まった。

ちょっと具合が悪かったり、不安があったりすると大丈夫かと相談に行く。何かの液が足りていないような時は、無料で足してくれたり、長距離のドライブに出かけるというと無料で簡単なチェックをしてくれたり、、、そんなことが度々。

今日も電気系統がおかしかったので寄った。置いていけば今日中に直しておくというので置いて行った。家から歩いて帰れる距離なので車が無くても過ごせる時は、私もロ-ナーを借りないで家まで歩いて帰るようにしている。

今日中と言っていたけど2時間もしない内に「出来た」と電話がかかってきたので、ジンジャーの散歩を兼ねて歩いて取りに行った。いくつかの部品を換えたけれど高額のものははないから、私が修理代を決めてくれればそれでよいという。それでは困るというと、「1時間以内の労働だから普通は120ドル(最低限)の労賃+部品だけど、他ならぬあなただから今日は部品も込みで50ドルにしよう」と言ってくれて、それで話がまとまる。

こちらでは、ぼったくりが当たり前のような車の業界、トヨタが最近槍玉に挙げられたけれど、大体、他も似たようなものという認識が普通だ。隙あればお客からお金を搾り取ろうとしている、そんな感じ。そんな中で、こういう関係を持てているということは何だか奇跡のようだ。

最近、めげることが続いていたので、こんな好意がやけに嬉しく、かさついた心が救われた気がした。70ドル+部品代のディスカウントが、私にとってどんなに大きなものだったか彼には思いも及ばないだろう。金額の問題ではない。そこにそんな人と人との関係があることが嬉しかった。改めて人を救うものは絆、と実感しながら家に戻った。

by bs2005 | 2010-03-23 06:18 |  

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