続:まことしやかな国 ニッポン

「まことしやかな国 ニッポン」の記事で、新インフルエンザへの対応が日本のまことしやかさを如何に鮮明に表わしてしまっているかを書いた。

肝心なのは水際で感染を阻止するなどいう、まことしやかなだけで、何の現実性もない対策ではなく、感染拡大を前提にして、それへの医療体制作りに全力を尽くすべきこと、強毒化した場合に可能な限り備えるべきであることも書いてきた。

私のようなど素人の意見などいくら書いても仕方ないから、感染の専門家の記事も紹介した。こういう厚生労働省への諮問を行う人が秋の再発期での100万人の死者が出かねないという警鐘を与えていること、すでに国内に感染が広がっている現実、そういうことから、少しは再発期への医療体制への努力を払っているのかと多少の期待はしていた。期待というより祈る気持ちだった。

今までの状態から見れば期待できるとも思えなかったけれど、何しろ人命がかかっている。あの水際作戦の無効性が白日の下に晒された段階で、あれに費やした膨大なエネルギーを、確実にやってくる秋の再発への備えに多少は回してもらわなければ、とんでもないことになる。今度こそまともに取り組んでもらいたい、そう思っていた。

しかし、最近の流行の中で、政府は、国内の新型インフルに対応する医療体制の調査を始めた、というニュースを聞いて愕然とした。もうとっくにやっているべきことではないか。水際作戦をやめた時には既に始めているべきことだった筈だ。一体、今まで何をしていたのだろうか。

その上、最新のニュースを聞くと、新型インフルのワクチンの国内生産の不足分は輸入するつもりだという。その場合、日本ばかりが大量に輸入したら国際非難を受けるかもしれない。輸入した中から途上国にも回すべきだろう、などという議論を紹介している。輸入するとしても質が問題だとも心配しているという。

一体、どこの国がこのワクチンを輸出すると思っているのだろうか。質が良かろうが悪かろうが、どこの国でもよその国に回している余裕は無い。どこの国でも圧倒的に不足している。それでも回すとしたら、医療設備の徹底的に遅れている途上国にだけ、上げたくはないけれど人道的な理由から仕方なく回す、それで精一杯だろう。

一体、どこの国が自分の国でも作る力のある国に輸出したりすると思っているのか。医療の最も進んでいるアメリカだって圧倒的に不足している。自分達が貰いたい位なのにそんな酔狂な余裕は無い。新型インフルの強毒化、強毒化しないにしても秋以降冬に向かっての圧倒的流行に対する認識が甘すぎる。

どの国も自分の国の国民を守るのに必死でそれだって覚束ないというのに、自分で自分の国を守るべき先進国なのに怠惰故に守りきれない国まで、誰が面倒みるというのか。自分の国がよその国にそんなことをすることを許す国民は居ないだろう。居るとしたら、その薬がそもそも効果の甚だしく疑わしい頼りにならない怪しげな薬で、よそに上げても痛くも痒くもない場合だけだろう。

輸入は国からではなく製薬会社からだから、などと思っているのだろうか。この薬に関しては多分政府が介入して輸出は許可しない位のことはするだろう。そうしなければ自分の国を守れないのだから。たとえ政府が介入しなくたって、自分の国をないがしろにして、よその国に輸出する製薬会社は無いだろう。そんなことをしたら四面楚歌の非難を浴びるに決まっている。それ位の目先は効くだろう。

大量に輸入すると国際批判を受けるかも、などという心配は無用だ。そもそもそんな輸入は出来っこない。輸入できなくても、圧倒的に足りなくても、自分の国の分を途上国には多少は寄付しなければならない。そうしなければ国際批判を受ける、それが今の日本の立場だ。先進国を日ごろ自負しているなら、助けるべき立場としてのプライドを持つべきだ。

よほど幸運に恵まれて、どこかのお人よしで寛容な国が日本に多少の輸出をしてくれるという奇跡のようなことが起きたとしても、その量はごく僅かだろう。限られた量の中から日本にだけ回す義理のある国なんて無い。多量に輸入したら、、なんて心配するには及ばない。相変わらず、何とまことしやかな、能天気な心配をしているのだろうか。どこまで依存した甘ったれた国なのだろうか。



追記:こんなときに、圧倒的なワクチンの量を生産して途上国を初め、世界に貢献して、日本が世界に無くてはならない大事な国であることを示す。それが日本を守る道だ。北朝鮮からの核の脅威に対してだって、拉致問題だって、世界を味方につける絶好の機会だ。核武装だの軍備強化だの考えている暇に、本気でワクチンを作って、量はそれでも足りなくても、途上国に回す量はどこの国にも負けない位できたら、日本の存在感は全然違ったのに、、、なんて夢物語を考えてしまう、、、(涙)

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by bs2005 | 2009-08-25 15:46 | 異論・曲論  

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