私たちの責任

既に日本では放送済みの『日本海軍 400時間の証言』(三回シリーズ)の第一回を昨日見ました。本質的にはやはりそうだったのかと思うことばかりで意外な内容ではありませんでしたが、事実として、またその歴史に直接関わっていた当事者達の証言としての重みには見逃せないものがありました。

中学などでの必修教材に是非使って欲しいと思います。見逃した人がもれなく見られるように何度でも再放送してもらいたいですし、日本人全員必見の番組だと思います。単に過去の反省としてのみでなく、本質的な日本のありかたは今も全く同じだからです。

また、あの戦争は侵略ではなかったとか、自虐史観だという人々が持ち出している論点がそもそも筋違いの、歴史に淫する論議でしかないことも明らかにしていると思います。

国民をあれだけ無駄死にさせてしまった、全く無謀な戦争に突っ込んだ大局的視野の無さ、それをあそこまで引きずらせてしまった長期的展望の無さ、犯罪的な無責任性、庶民・家族の命の徹底した軽視、問題はそこにあります。そしてそれは明らかに今の日本にも見られるものです。

戦争は常に何らかの正義を旗印に始められます。どのような利害が絡んだものであれ、常に双方に正義はあるのです。ベトナム戦争、イラク戦争、全て例外はありません。ナチスを打倒できたということが、アメリカの戦争の正義と意義への執着の根源にあるようですが、それ以外に何も解決したことはない、ベトナム戦争、イラク戦争のみならず、テロ戦争のアフガンしかり、、、アメリカ人もそのことにはそろそろ気づき始めています。

過去の戦争に正義があったか無かったか、、なんていう議論は全く不毛の自己満足を求めたものにしか思えません。戦争は決して本質的解決手段にはならず負の連鎖を築くものにしかならない、そのことの徹底的理解が今一番肝要なのです。

最後に、この番組の進行役を務めた取材デスクの小貫武さんの言葉に心から共感しましたので、ここに引用させていただきます。

それぞれの仕事に埋没し、国民一人一人の命が見えなくなっていった将校達、その姿勢は海軍あって国家なし、と言わざるを得ません。そうした内向きの姿勢は、戦後になっても続き、反省会の元将校達はその記録を公開しませんでした。しかし私は彼らを一方的に非難することに躊躇いを感じてしまいます。

縦割りのセクショナリズム、問題を隠蔽する体質、ムードに流され意見を言えない空気、責任の曖昧さ、元将校達が告白した戦争に至るプロセスは、今の社会が抱える問題そのものであり、私自身もそうした社会の一員であるからです。

元将校達は二度と過ちを犯さない為に反省会を始めたと語っていました。彼らの言葉を真の教訓として行ける社会でなくてはならないと強く感じました。それが余りにも多くの犠牲者を出したこの国に生きる私たちの責任だと思うのです。



それぞれが、それぞれの場でひとりひとり確実に、この責任を担って行きたいものです。
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by bs2005 | 2009-08-25 03:01 | TON同盟  

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